こんにちは、のっさんです。
2015年度に地方国立大から北のほうの旧帝大大学院に進学した人。
今日は院試の必須科目ともいえる「面接(口述試験)」について、自分の経験をもとに書いてみたいと思います。
正直私は面接とかちょっと苦手なんですが、それでもなんとかなった(大きな穴にならなかった)のは、ニガテなりに戦略を立ててうまく対策ができたからだと思っています。
➤英語や専門科目を含む私の院試対策の戦略全貌はこちらの記事で公開しています
そこで今回は、面接で「何を聞かれたか」「どんな対策をしたか」をはじめ「服装」や「面接の形式」といった面接に関するあらゆることについて詳しく書いていこうと思います。
(注)院試は各大学院・研究室によってシステムや方法が異なります。この記事で示すのはあくまで一般論です。個別の事例については自分の受験する大学院の最新情報をしっかりチェックしてください。
- 試験全体での面接の位置づけ
- 院試の面接で聞かれる質問
- 面接にはどんな服装で行くべき?
- 面接の形式は集団面接?個別面接?
- 面接の試験日、試験時間
- 私が実践した対策方法はコレ!
- 研究計画書のレベルアップには専門家のアドバイスが有効!
- おわりに
試験全体での面接の位置づけ
まずは院試全体の中でそもそも面接はどのような位置づけになっているのか、なんのために行われるのかを理解しておきましょう。
ここを理解しておくことで教授陣からの質問を想定することができるし、質問に対して意図をくみ取った返答ができます。
そういう意味ではかなり重要なポイントです。
面接(口述試験)は文章に現れない習熟度を問うのに最適な形式
時々「面接はあくまで人物像をみているだけで試験結果にそれほど大きく影響しない」という人もいます。
もしかしたらそういう面接もあるのかもしれません。
しかし基本的には院試の面接はただの面接というよりは「口述試験」です。
形式が筆記でないだけで「専門分野を深め、文化の進展に寄与する」※1という大学院の目的に合致する人物を選考する重要なプロセスを担っています。
口述は筆記とは違い、レスポンスの素早さが求められます。
筆記ほど複雑なことを聞かれることは少ないですが、基本的なことをどこまで習熟しているかが如実に表れてしまいます。
教授たちはプロなので、答え方でどれだけ理解できているか、思考を深めているかがすぐわかってしまいます。
ポイント:口述試験は基本の習熟度を問われる
※1:学校教育法上は大学院の目的は「大学院は,学術の理論及び応用を教授研究し,その深奥をきわめ,又は高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培い,文化の進展に寄与することを目的とする。」とされています。
期待されるのは「論理的に答えられる」こと
口述試験では一問一答式の知識が求められるわけではありません。
また流ちょうに回答することを求められているわけでもありません。
たとえ話が多少拙くとも、相手の意図をくみ取って論理的に回答できることが求められます。
話が上手いかどうかは正直あまり気にしていません。
どういう思考のプロセスでその答えにたどり着いているのかを見ています。
ポイント:話のうまさよりも、論理性
面接はミスマッチを防ぐための場
実際に面接をして個人的にかなり強く感じたのは「面接は大学院と学生のミスマッチを防ぐ最後の砦」だということでした。
大学院は大学とは異なり、研究をする場です。
ほとんどの時間を研究室で過ごすことになり、教授とのかかわりも学部とは比にならないほど増えます。
そうなるとお互いにとって最も不幸なのは、実際に入学したら思い描いていた研究ができなかった、などというミスマッチです。
学部なら多少ミスマッチがあって要領よくやれば卒業することができますが、大学院はそうはいきません。
そうした事態にならないように大学院が提供できることと受験生がやりたいことの擦り合わせは重要なわけです。
学校側はそれをこれまでの経験からよくわかっているので、かみ合っていない学生は容赦なく落とされます。
面接ではこのすり合わせの最終確認が行われている、という側面もあります。
ポイント:面接は大学院と学生の最後のマッチング確認の場
院試の面接で聞かれる質問
では院試の面接では具体的に何を聞かれるのでしょうか。
大きく分けると4種類に分けられます。
- 専門分野に関する質問
- 学部生での研究に関する質問
- 入学後の研究の見通しに関する質問
- マッチングに関する質問
順に詳しく見ていきましょう。
①専門分野に関する質問
これは専門分野に関してどれくらい習熟しているかに関する質問です。
例えば私が実際に聞かれたものでいえば
「専門科目の試験で○○に関する問いに▲▲を選んでいましたが、なぜこの回答を選んだのですか?」
というような面接の前日に行われた専門科目の試験での回答について聞かれたりしました。
これは面食らったのですごくよく覚えています。
このように専門分野に関する問いも面接の場では行われます。
特に理系だったりするとこのように専門分野に関して口頭で説明させる問題は結構あるようです。
②学部の卒論に関する質問
「卒論で研究した内容について説明してください」
といったような学部での研究内容についての質問は院試の定番です。
研究で取り組んできた内容を簡潔に分かりやすく説明できる能力があるかを見るちょうどいい質問なんでしょう。
この質問は必須で準備しておくといいと思います。
③入学後の研究の見通しに関する質問
大学院に入学後行いたい研究について詳しく説明を求められます。
こちらも必ず聞かれると言っていい超ド定番の質問です。
「入学後どんな研究をしようと考えていますか」
「その研究にはどんな学術的・社会的意義がありますか」
「その研究にどんな先行研究があるかご存知ですか」
「どのような手法を使えば結果が得られますか」
「大学院2年間で結果が得られますか」
こういった質問に一通りスムーズに答えられるようになっておくと良いでしょう。
基本的には事前に書類審査で提出している研究計画書に基づいて質問が行われます。
なので計画書にツッコミどころがあるとそこについて質問してくる教授も当然います。
(これを利用して逆にわざと穴をつくっておいてそこを突っ込ませるというツワモノがいた、という話も聞いたことがありますが高等テクニックすぎるので基本やらないことをおすすめします。笑)
あとは卒論の研究との関連を聞いてくることもありますね。
④マッチングに関する質問
これは聞かれないことも多いですが、私は聞かれました。
具体的には
「大学院卒業後、どのような進路を考えていますか」
といったような質問です。
人生設計の中で大学院をどう位置付けているのか、それにはこの大学院がベストなのか、を問われます。
こういう質問をしてくる大学院はかなり良心的だとは思いますが、全く準備していないとかなりびっくりしますよね。
私の友人でも聞かれた人と、全く聞かれなかった人、両方ともいました。
面接にはどんな服装で行くべき?
面接は基本的にはスーツで行くことになります。
服装については指定がないことも多いですが、スーツ着用のことと明確に書かれていることもあります。
私の大学院は具体的に書かれてはいませんでしたが、問い合わせたら「例年皆さんスーツです」と教えてくださいました。笑
スーツで行けば間違いありません。
専門科目・英語試験が面接と別日程の場合、専門科目・英語試験の日にはスーツでない人もちらほら見られましたが、基本は皆さんスーツでしたね。
やっぱりスーツ着用の方が失敗ありません。
面接の形式は集団面接?個別面接?
私の場合、面接は個人面接でした。
ただし面接官はたくさんおられ、いわゆる「圧迫面接」の形式でした。
はっきりとは覚えていませんがおそらく教授や准教授など合わせて5~6人が面接官としていました。
メインとなる面接官は担当教授となる人で、そのほかの研究室の教授も時々質問を挟んでくる、というような形です。
普通の教室の先生が立つ場所に私が座り、生徒が座る場所に教授が座っている、というような状況でした。
なかなか緊張感のある空間でしたね~汗
雰囲気に負けないようにするのも大事ですよね…
面接の試験日、試験時間
試験日程は2日構成で初日に筆記試験、2日目に面接が行われました。
面接は10時ごろから開始され、ひとり20分くらいが割り当てられていました。
私が実践した対策方法はコレ!
最後に私が実践した面接対策をお伝えしておきましょう。
1.とにかく研究計画書を作りこんだ
面接は研究計画書に基づいて行われるので、とにかく研究計画書を作りこむことに専念しました。
面接対策というよりは研究計画書のレベルを上げる、ということを意識しましたね。
院試の面接では面接練習をするのももちろん大事ですが、とにかくまずは研究計画書への自分の理解度をあげることが重要だと思います。
研究計画書のレベルアップが最大の面接対策だと思います。
ちなみに研究計画書の基本的な考え方を学ぶ際にはこちらの本がかなりの良本です。
こういった本にありがちな、ただの「書き方のハウツー」ではなく、より本質的で重要な「研究というものに対する考え方」を重視した内容になっています。
社会人から大学院に入ろうという人向けに書かれているということですが、社会人だろうが学生だろうが大学院生になり研究をしようという人であれば全員じっくり読んでおいて間違いないでしょう。
2.卒論の研究をまとめておいた
卒論については必ず聞かれると思ったので、卒論の研究について簡潔にまとめて説明できるようにしておきました。(そして実際に聞かれました。)
試験1か月前くらいに卒論の概要を説明するレジュメを作って時々見返す感じでしたね。
3.大学院の教授の傾向を勉強
大学院のホームページで教授が書いた文章や説明を読み込んで、どういう傾向の人なのか勉強しました。
研究室の理念みたいなところにはかなりヒントが詰まっているので、意外と読み込むと発見があります。
4.仮想質問への回答を用意した
普通の面接対策でも行うことですが、仮想質問をいくつか考えてそれに対する回答を用意し、すらすら答えられるように練習しました。
仮想質問はこのページの上の方でも書いていますし、そのほか様々な人が書いていますので、そういったものを参考にすれば用意できるでしょう。
研究計画書のレベルアップには専門家のアドバイスが有効!
研究計画書のレベルアップが肝となってくるわけですが、なかなか一人ではレベルアップが難しいのも研究計画書です。
そこで、専門家からのアドバイスをもらいながらブラッシュアップしていくのが有効でしょう。
例えば今は大学院受験対策の通信教育などもあるので、そういったものを利用するのも効果的です。
おわりに
以上、いかがだったでしょうか。
大学院の面接の特徴がお分かりいただけたのではないかと思います。
自分一人で対策するのが難しいところはうまく他人の力を借りながら取り組んでいけるといいですね。