大学の卒業後、大学院に進学するか、はたまた会社員や公務員として就職するのか。
大きな進路の分岐点を目の前にすると悩んでしまいますよね。
実際私も大学院へ進学するかどうか決めるときにはすごく悩みました。
結局は大学院へ進学し、大学院のメリットもデメリットも感じています。
今回はそんな判断の難しい「進学か、就職か」という選択をどのように考えるべきなのか、筆者の実体験から解説していきたいと思います。
本気で研究職志望でない限り大学院に行くメリットは小さい
まずはじめに私の大学院進学に対する基本スタンスをお伝えしておきます。
私は基本的に「本気で研究者・研究職を目指していないのであれば大学院に進学するのはコストに対してメリットが小さすぎる」と考えています。
つまりたいていの人にとっては大学院は費用対効果が悪いと判断しているわけです。
大学院進学に伴うコストというのは金銭的なコストはもちろんですが、20代の貴重な時間を割くコストや、その後の就職においてのコストなども含まれます。
これらのコストをかけた分、もちろん大学院では様々なことを得られます。
しかし研究職以外であれば、現状の日本では「わざわざ大学院に進学したにしては」得られるものが小さすぎるのではないかと感じます。
だから自分の理想のキャリアを実現する上で大学院が必須だと断言できる人だけ進学すべきだと思います。
なんとなくのキャリアアップとかモラトリアムで手を出すべきではない、というのが正直な思いです。
あなたはわざわざ大学院に行く意味が本当にあるのか
研究職を目指す人にとっては大学院での学びは重要な(というか必須の)キャリアの1ステップになります。
研究を行い、そこでの成果を論文としてまとめることは職務上必須の能力で、大学院での成果をもって職務能力を図ることができるからです。
大学院を卒業した、研究で成果を出した、という事実が採用の可否を大きく左右します。
しかし研究職以外の職種であれば、大学院を卒業したかどうか、研究で成果を出したかどうかは正直どうでもいいことです。
なぜならビジネスの現場で成果を出すための能力と研究で成果を出す能力は相関関係が低いと思われているからです(私もそうだと思います)。
公務員やNPOなどの団体であってもそれはほぼ同じです。
業務に必要な能力と研究能力は関連が薄いわけです。
そうなれば大卒と院卒の間にビジネスの遂行能力という観点からは大きな差がないわけです。
そんな現状があるなかで本当に大学院に進学する意味があるのか今一度考えてほしいと思います。
研究職に就きたいという明確な思いがある人は、大学院に進学すると素晴らしい経験を積むことができるでしょう。
しかしそうでない人にとって大学院に進学する意味はどれほどあるでしょうか。
「それでも私は大学院に進学することに意義があるんだ」と明確に言えるのであれば良いですが、そうでないのであれば大学院進学はむしろ機会を逸することになりかねません。
日本の就活において大学院卒の扱いは微妙すぎる
研究職以外を目指している人は、せめて大学院進学にあたって日本の就活の現状を知っておくべきだと思います。
はっきり言って日本の就活において(私は世界の就活事情は知りませんが少なくとも日本において)大学院卒の扱いはめちゃくちゃ微妙です。
今はどの企業も余裕がない中で人材を採用しています。
出来るだけ即戦力になりそうな人材を、もしくは若くて呑み込みの早い人材を採用したいと考えているんですね。
あなたも「即戦力が求められている」というような話をどこかで聞いたことがあるかもしれません。
イチから時間をかけて丁寧に育てる余裕はないわけです。
そうなると、大学院卒は大卒に比べて若いわけでもなく、かといって飲み込みが早いかと言われたら微妙な人材なわけです。
高学歴でプライドだけはいっちょまえ、と思っている企業も正直あります。
しかも給料は多く出さなければならない場合が多い。
そうなると院卒というのは採用するメリットがあまりない。
専門的な勉強をしているといってもそれを活かすことができる企業が少ないことも影響しています。
新卒採用主義的な日本の就活において大学院卒はニーズが少ないいわばスキマ人材なわけです。
能力云々の話ではなく、どうにも扱いづらい微妙な存在なんですね。
大学院での学びは意外と汎用性が低い
「でも大学院で学んだことをビジネスに生かせるシーンは多いはず!専門知識以外にも学びの過程で得たものは汎用的なのでは?」
そんなことを考える方もいるかもしれません。
しかし私は大学院での学びの汎用性は基本的にない(小さい)と思います。
確かに論理的に説明する能力だとか順序だてて検証していく方法論だとか大学院で得ることができる汎用的な能力もあります。
しかしそれって大学院でしか得られない特殊能力なんでしょうか?
社会に出て知ったことですが、大学院での学びで得られるものの多くは実社会の業務の中で得ることができます。
そしてビジネスの現場で使うような説明能力なんかだったら、高卒で働いている人の方がずっと高度に使いこなしていたりすることもあります。
大学院の研究は良くも悪くも非常に狭い世界を突き詰めることになります。
それは多くの場合汎用性の高い能力を得ることにはつながりません。
確かに研究というものを長年行っていけば、汎用性の高い能力も身に就くのかもしれません。
しかし大学院は2年間です。
社会でも通用する能力を得る、という目的は達成しづらいでしょう。
専門性の高い研究をすることと、社会的な価値が高まることは、決して比例しているとは限りません。
大学院で社会で活躍するための能力を身につけようと考えているのであれば、それは目標設定を失敗していると言わざるを得ません。
モラトリアムとしてはすべきことが多すぎる
今度は少し切り口を変えてみましょう。
大学院へ進学する目的として就職を先延ばしにしたい、というようなモラトリアム的な発想もよく聞きます。
私はモラトリアムみたいなものを全く否定はしません。
モラトリアムだと割り切って進学すること自体は別に良いと思いますし、そういう過ごし方も別にありだと思います。
しかし大学院はモラトリアムとして過ごすにははっきり言って不向きです。
大学院は2年間しかありません。
この間に研究を行い、論文を執筆し、就職活動まで行わなければいけないわけです。人によってはバイトもする必要があります。
時間があるのは修士1年の前期くらいなもので、1年の後期になってしばらくすればもう就職活動が始まります。
そして就職活動が始まったかと思えば、研究が本格化し、いつの間にか2年生になり、論文の執筆が本格化して、あっというまに2年間が終わります。
しかも研究室によっては教授が就職活動に非協力的だったりもします。
こんな状況で果たしてモラトリアムなんて言っていられるでしょうか。
大学生活を単純に2年間延長するつもりで大学院に進学するとかなり想像と違うことになるでしょう。
実際公務員なんかに就職した人の方が時間にゆとりのある生活をしていることなんてよくあります。
大学院はモラトリアムにしてはすべきことが多すぎます。
大学院に進学するとうまくいかない人
ここまでの話を簡単にまとめてみると、大学院進学がおすすめできない人の特徴というのが見えてきます。
大学院に進学するとうまくいかない人の特徴としては
- 大学院をキャリアアップの場と考えている人
- 大学院でビジネスに通じる能力を高めようと考えている人
- 学歴があれば就職がしやすいと考えている人
- モラトリアムの延長だと考えている人
などが挙げられるでしょう。
ここで注意すべきなのは大学院進学がうまくいくかどうかは別にやる気のある・ないは全く関係ないということです。
例えやる気があっても、大学院というものをはき違えて進学すると「こんなはずじゃなかった」という違和感を抱えたまま過ごすことになってしまいます。
むしろやる気があるからこそ、冷静に大学院の先にあるものを判断できなくて見誤ってしまうのだと個人的には思います。
やる気があるのであれば余計に慎重に、本当に大学院に進学することがベストなのかを考えてみてほしいと思います。
進学にしろ、就職にしろ、就活の現状を知ることが重要
大学院に進学するにしろ、就職をするにしろ、就活の正しい情報を知るということは非常に重要になってきます。
最終的には卒業のその先の道を考えていかなければならないからです。
進路選択において就活についての知識というのは身に着けておくのと何も知らないのとでは大きく差が出ます。
しかし、学生の段階で自分自身で就活の知識を身に着けるのはなかなか簡単ではありません。
ネット上にもたくさんの情報がありますが、正直すべてを鵜呑みにすべきではないこともしばしばです。
できるだけ経験の豊富な専門家からの情報を得るべきです。
そういう場合、学生向けの就活支援というものがあります。
例えばキミスカ なんかが有名ですね。
キミスカは学生の就活を専門に扱う就職支援サービスを展開していて、完全無料で個別に面談などを行ってくれます。
企業向けの採用コンサルを10年以上行っているような簡単に言えば就活のプロがアドバイスを行っているというわけですね。
基本的に人事経験がある人が勤めているとのことで、こういう人に直接相談できるというのはかなりデカいです。
興味のある業界について採用事情を詳しく聞いておくと、どういう進路をとるのがベストなのか見えてきます。
業界の大学院出身者の採用状況なんかを聞いてみるのもいいでしょう。
公式サイト:キミスカ
はっきり言って就活は情報戦です。
情報を持っていないということはそれだけで不利になります。
逆に知っていればそれだけで有利に進めることができます。
現代はこういう便利なサービスがあるわけで、使い倒して情報を得ておくとそれだけで差がつけられます。
(※こうした就職支援サービスは紹介先の企業から報酬を得ているため学生に無料でサービスを提供できる仕組みになっています。企業は採用に多大なコストをかけているため紹介からの採用は効率がいいんです。)
手始めにオンラインの適性診断で適職を知ろう
ちなみにキミスカは学生向けの適性診断も提供しています。
キミスカはそもそもスカウト型の就活支援サービスをやっていて、そのノウハウを活かしたかなり細かい適性診断を行ってくれます。
スカウト型とは、学生のプロフィールを見た企業から学生が個別にスカウトをもらうことができる仕組みのこと。
プロフィールだけ登録しておけば企業から「あなたに興味があるんですが面接を受けてみませんか?」とスカウトが来るわけです。
普通就活といえばこちらから企業に出向いて何も知らない相手にイチからアピールしなければいけないわけですが、これなら登録しておくだけで自分のことを知ったうえでのオファーが来るわけですね。
効率という面でいえばめちゃくちゃいいですよね。
登録して放っておいても就活が進むことになるわけです。
スカウト型の就活は最近活発化している形態なので、忙しい人や悩んでいる人でも登録だけはしておくといいでしょう。
Click≫ キミスカ公式サイトで詳細を確認
大学院はゴールではない。自分の目指すものを見極めよう
当たり前ですが、大学院はゴールでも何でもありません。
その先に人生はずっと続いていきます。
私自身、大学院に進学して良かったこともたくさんありましたが、大学院にこだわる必要はなかったのではないかと今になってみれば思います。
自分の目指すものが一体何なのかじっくりと見極めて、道を選んでください。