最近学生時代を過ごした札幌に行って友人と会っていたのですが、
「なんで今の環境を選んだのか」という話をしていたらすごく盛り上がって、
これって仕事に関して悩む人に参考になる話なんじゃないかな、
と思い至り、久々にブログに向き合っています。
平凡な学生が死ぬ気で得た「内定」の二文字
僕はいわゆる平凡な学生でした。
何かに一心不乱に熱中して取り組んだわけでもなく、
かといって遊びほうけていたわけでもなく、
学業は一生懸命にやりながら人並みに遊んでもいたし、
塾講師、居酒屋、派遣などバイトもいくつかやって、
長期休暇にはボランティアやインターンに参加したりするような
要はどこにでもいる平凡なタイプの学生でした。
そんな学生が就活で特段すごい結果を残せるはずもなく、
20社程度の選考に落ちつづけ、7月の段階でも1社も内定がないような状況でした。
大学院の忙しい研究の合間を縫って、札幌から東京へ、月に4往復くらいはしていたように記憶しています。
当然ただの学生だったので、それまでのバイトの貯金だけでは到底お金が足りず、アルバイトをめいっぱいしながら就活していました。
研究・バイト・就活の3つを同時並行でこなすのは当時の私にはかなりつらく、毎日ヘロヘロで死にそうになりながら就活を続けていました。
そんな風に続けていた就活がついに終わりを迎えたのは8月のあたま頃。
渋谷に本社を構えるベンチャー気質の企業の選考がトントン拍子に進み、3回の面接を経て、内定をいただくことができたんです。
やっとまともな結果を出せて、嬉しさとか安堵とかいろんな気持ちの入り混じった不思議な気持ちだったのを覚えています。
とにかく、時間もお金もかけて死ぬ気で得た大事な大事な「内定」の二文字でした。
なんでその企業を選んだのか?
昔から私はなんとなく「何十年もずっと同じ企業で働く自分」がイメージできず、個人でお店をやっている、みたいに自分で何かをやっている人に心惹かれる傾向がありました。
自然が大好きだったこともあり、大学生になってからは農家になろうと思って、農業のインターンに行ったこともありました。
そんな訳で、いつかは自分で仕事を創れるようになろう、というのが一番重要なポイントだったのです。
そのために必要な能力を得ることができる企業に就職しよう!と考えて就活を行っていました。
前述の内定をいただいた企業は、店舗のマネジメントの受託を中心的に行っている企業で、入社1.2年目から実際に店長として仕事ができる企業でした。
社員の成長速度の速さ、みたいなことを採用担当も謳っていて、ここなら自分で仕事を創れる人間になれそうだ、と感じていました。
しかしなぜか晴れない気持ち
そんなわけで、自分の中では納得して終えた就活。
就活での苦労を知っている友人たちからも祝福してもらって、
本来なら喜び勇んで卒業のための研究に集中、となるはずだったのですが、
なぜだかいつまで経っても気分は晴れず、このまま卒業して就職していいのか、と
どこかもやもやした気持ちが募っていきました。
当時書いた文章を読むと当時の感覚が思い出されます…(https://note.mu/yutanote/n/n1e768d8adce5)
そんな違和感の正体がつかめないまま、
あんなに頑張ったのに切り替えられない自分がすごくイヤで、
逃げるようにタイに行ってみたりもしました。
そんな状態のまま、気づけば年も変わり、就職へのカウントダウンが始まっても、まだ自分の中の気持ちが整理できずにいました。
なので、とにかく就職前にいろんな人に会おうと、前から気になっていた高知の嶺北地方に遊びに行ったりしました。
そこで色んな人と話すうちに違和感の正体が見えてきました。
僕が内定先への就職をやめた、ただ一つの理由
僕は基本的には「やりたいことをやるために、企業に就職してビジネスの実力をつけてから、やりたいことを始めよう!」と思っていました。
それが正しい方法だと信じていたんです。
しかし高知で出会った人からこんな話を聞きました。
「やりたいことをやるために必要な能力は、やりたいことをやる中でしか身につかないんだよ。」
それは私の中では思ってもみなかった視点でした。
しかし確かに過去の経験からも、それは納得のいく話で、今までのもやもやがすっと晴れるような気がしました。
例えばこんなイメージで。
どんなに一つの企業で身に着けられる能力を極めたところで、やりたいことに必要な能力をすべて身に着けることは現実的に不可能で、
やりたいことをやるための修行として企業で仕事をすることは結局二度手間なのではないか、という話なんです。
これに気づいて私は内定先に就職しないことを決心することができました。
その後
そうして今は、高知県の須崎市という田舎町で、地域おこし協力隊という地方活性の仕事に携わっています。
もちろん大変なことも多いですが、日々やりたいことをやれている手ごたえがありますし、
この夏には、屋台アイス屋さんとして、念願の個人での事業も少しづつ始めていくことができます。
結果として、自分のやりたいことに対する能力を効率よく得ることができている感覚があります。
仕事というのは人生のあくまで一部ですが、人生を考えるうえで切っても切れないものであることは間違いないと思います。
やりたいことがあるのであれば、そこにたどり着くためにベストな方法は、それを実際にやること。
修行するつもりが、逆に遠回りしてしまうのは、もったいないですよね。
結局のところ、自分が何をやりたいのか、そこに必要な能力は何なのか、真摯に見つめなおすことが重要なのでしょう。
というわけで、仕事のアレコレを見つめなおすことができた、いい北海道旅行でした。
そんなかんじ!