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現役地域おこし協力隊が考える「仕事を選ぶ」ということ

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 ▲かめとパソコン(筆者撮影)

 

地域おこし協力隊」という制度をご存知でしょうか?

総務省が2009年度に制度化した地方の活性化を担う人材の雇用システムで、2017年度には全国で約4000人の隊員がいると言われています。

地方に移住することを条件に、お給料をもらいながら地方暮らしを実践できるので、ローカルなこと・ソーシャルなことに興味のある人には魅力的な制度です。

そんなわけで年々増加を続ける地域おこし協力隊ですが、一方で思い描いたキャリアを描ける方はそう多くはありません。

途中で辞めてしまう人も後を絶たないんです。

もちろんそれはそれで納得した選択なら何も問題ないと思うのですが、どうせなら気持ちよく活動を続けていきたいですよね。

今回は現役協力隊の私が特に仕事という面で「協力隊になったら気を付けたいこと」を書いてみたいと思います。

「協力隊」という名前に気を付けろ

常々同じ協力隊の知り合いとも話しているのですが「協力隊」という名前が多くの誤解を生んでいると感じます。

この名前って、まるで

「地域の活動にはなんだって協力しますよ」

「無償でお手伝いしますよ」

「私のやりたいことは、地域の皆さんの活動のサポートです」

と言っているような印象を受けませんか?

 

しかし協力隊として実際に着任する人は

「地域で自分の力を発揮できるビジネスを創りたい」

「自分のやりたいことを実現するために地方で暮らしたい」

ソーシャルな課題解決を仕事にしたい」

というような意欲を持った方ばかりです。

こういう志向を持った人を「協力隊」と呼ぶのはおよそ見当違いだと思いませんか?

 

地域の人は「地域おこし協力隊」という存在を知ってくださっている人もたくさんいます。

しかしその存在は知っていても、協力隊がどんなものか詳しく知っている人はほとんどいません。

なので「協力隊」という名前を聞いて、なんか手伝ってくれる人なのかな?と思ってしまうわけです。

それはそれで仕方ないですよね。

 

いかに自分がやりたいことを地域に浸透させていくか、というのも協力隊の大きな課題なんですね。

取り組む仕事が自分のその後のキャリアに通じるのか、気を付けろ

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協力隊として活動していると、意外といろんな仕事に誘っていただけます

プロジェクトに関わらせてくださったり、イベントの運営を頼まれたり、こんなことするんだけど一緒にやらない?と誘ってくださる素敵な方がきっとどんな地域にもいらっしゃいます。

そういうお誘いはうれしいし、すごくありがたい話です。

どこの馬の骨とも知れないような人間が地域に急に入ってきて、それでも信用して何かを任せてくれようとしてくださるわけです。

なのでもちろんできるだけ応えたい、という思いはあります。

 

しかし、そんな思いの一方で冷静にならなくてはいけない自分もいます。

協力隊の任期は最大で3年。

当然その後のキャリアを真剣に考えなくてはなりません。

意外と3年間は一瞬です。

任期の後も地域と関わり続けていくためには、自分の仕事をなんらか形にしなくてはいけないわけです。

 

誘っていただける仕事を全て何も考えずに受けていて、果たして自分の望むキャリアを描けるでしょうか。

私は正直、そんなわけないと思っています。

取り組む仕事が自分のその後のキャリアに通じているのか。

本気で吟味して、そのうえで必要であればお断りさせていただく勇気も必要です。

自分の持っている資源は有限です。

その資源の使い道には最大限の注意を払うべきです。

業務内容に気を付けろ

これは本来、協力隊に着任する前の応募段階で確認しておくべきことですが、業務内容が協力隊の業務として適切なのか、しっかり見極める必要があります。

どこの自治体とは言いませんが、正直協力隊に任せるべきでない業務を協力隊に任せている自治体もあります。

 

例えば、市役所の正規職員がやっている仕事と同じような仕事を協力隊にやらせているパターン。

とある自治体ではふるさと納税関係の事務処理業務を協力隊にさせているのだとか。

これってほんとうに協力隊として任せるに値する仕事なんでしょうか?

協力隊を「ただの人件費の安い労働力」としてしか見ていない自治体は残念ながら存在します。

そういうところで働くと、結局協力隊として地域に来る価値がなくなってしまいます。

 

こう書くと自治体の方が悪者のように見えますが、たぶん悪気をもって協力隊に接している役場の方なんていません。

ただ協力隊の受け入れに慣れていない自治体というのはまだまだ多く、結果として協力隊の力を発揮しきれない、という事態が起きているわけです。

さらに言えば、同じ自治体内でも課によって受け入れに慣れている課とそうでない課があります。

そんなことを考え出すと、もはや実際にその自治体で働いてみないと分からないことも多い、ということになってしまいます。

 

しかし、実際に着任してしまってからでも業務内容を交渉することはできます。

幸いなことに協力隊の任期は年更新。

一年ごとに契約をし直すパターンが多いんです。

したがってそういう区切りで契約内容を見直してもらえるように交渉する余地はあります。

諦めずに交渉してみる力も重要です。

協力隊に必要な「仕事を選ぶ」ということ

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個人的には協力隊になって最大の学びは「仕事を選ぶことの重要さ」です。

仕事を選ぶということは、自分の目指したい方向が明確になっていないとなかなかできません。

なんとなく仕事をしている間は、なんとなくどんな仕事でも役に立ちそうな気がして、内容に構わず仕事を受けてしまいます。

しかしそんなことをしているうちに時間はどんどん過ぎてしまい、結局自分の望む方向には進めなくなってしまうんです。

 

何者でもない自分が仕事を選ぶなんておこがましいような気がしてしまいますが、何者でもない自分だからこそ仕事を選ばなくてはいけないと個人的には思います。

断れるということは、自分にとって大事なものが何か知っている、ということだからです。

決して誘ってくれた人を軽視しているわけではなく、ただ自分の大切なものをしっかりと大事にしているだけです。

その違いを分かってくれないのであれば、どちらにせよ長く付き合っていくのは難しいでしょう。

 

今回は「協力隊」という切り口で書きましたが、案外どんな仕事でも当てはまるのではないでしょうか。

「仕事を選ぶ」ということ、一度真剣に考えてみてはいかがでしょう。

 

そんな感じ!