「ホームシアターを導入して自宅で映画を思いっきり楽しみたい…」
映画好きならばそんな夢を持っている人も多いでしょう。
今回はそんな憧れのホームシアターで必要不可欠な「スピーカー」についてオススメのスピーカーを選び方のポイントも含めて詳しく紹介していきます。
自宅で年間120本以上映画を見ていた映画好きの私が選ぶ最高の「映画鑑賞のための音響」の作り方、ぜひ参考にしてみてください。
- イマドキのホームシアターでこだわるべきは「音響」
- これだけは知っておきたい!スピーカーの基礎知識
- 2種類のホームシアタースピーカーシステム
- ホームシアタースピーカーの特徴・選び方の整理
- チャンネル数別に見るホームシアタースピーカーおすすめ9選
- 補足:映画をお得にたくさん見るには
- まとめ
イマドキのホームシアターでこだわるべきは「音響」
ホームシアターを導入する際には様々な機器の購入を考えるでしょう。
多種多様なものがある中で私は最もこだわるべきは「音響機器」だと考えています。
音響にこだわると映像体験の質が別次元になる
映画というのは単なる映像体験ではありません。
映像体験と音響体験のコラボレーション作品と言ってもいいでしょう。
そして機器の選び方で特に大きな差が出てしまうのが音響なんです。
映画作品と言うのはかなり音響にこだわってつくられています。
例えば近年の作品でいえば「ゼロ・グラビティ」(2013)は無声の導入から始まり、本来音の出ない宇宙空間の中で主人公の息づかいや衝撃を表現するのにこだわり抜かれた音響が使われています。(サウンドディレクターはグレン・フリーマントル)
こうした映画を楽しむためには音響へのこだわりは切っても切れません。
質の高い映画鑑賞をするためには音響体験を大事にすべきなんですね。
テレビ本体のもともとの音質は正直良くない
自宅での映画鑑賞の際にテレビの本体についている音響設備をそのまま使っている人もいるでしょう。
しかし近年の薄型(液晶)テレビは一部の機種(ビエラDX850など)を除いてオーディオ機能が貧弱なものが多いんです。
これは業界として大画面化のトレンドがあった一方で、自宅の限られたスペースでも設置できるように薄型化や幅を狭くする方向に進化が進んだためです。
音響に関しては開発の優先順位が低かったというわけですね。
しかし音響の弱さというのはテレビ番組を見るだけなら大した差じゃなくても映画を見るときはそれは大きな違いになってしまいます。
音の迫力が重要な要素を占める映画鑑賞で音響が貧弱なのはかなりの弱点です。
ホームシアターをどうせ構えるのであれば、音響にこだわらないともはや意味がないと言っても過言ではないでしょう。
一方で画面の進化はすさまじい
スピーカーが貧弱なままになってきた一方で、テレビの画面は液晶化・大画面化が進み年々すさまじい進歩を遂げています。
自宅のテレビでも液晶画面のものを使用している人がほとんどなのでは?
液晶画面であれば正直スクリーンを使うよりもずっと美しく映像を楽しむことができます。
こうした背景を鑑みるとイマドキのホームシアター設計と言うのは「いかに高音質なサウンドシステムを構築するか」だと言っていいでしょう。
これだけは知っておきたい!スピーカーの基礎知識
良い音質のホームシアターを実現する上でこれだけは知っておきたいというスピーカーの知識を簡単に説明しておきます。
よく見かける「チャンネル(ch)数」とは?
ホームシアタースピーカーに関してちょっとでも調べたことがあれば「2.1ch」とか「3.1ch」、「5.1ch」という用語を見たことがあるのではないでしょうか。。
これはチャンネルと呼ばれるもので、かなり簡単に言えばスピーカーの数を示しています。
え?では小数点以下はなんなんだ?ときっと感じたと思います。
ここで示すところの「0.1ch」というのは重低音だけを再生する「サブウーファー」と呼ばれるスピーカーです。
こいつは重低音専門なので他のスピーカーに比べ情報量が少ないことから「0.1ch」という扱いなんです。
このチャンネル数を見るだけでどんな音響が実現できるのか、どんなデバイスを再生するのに向いているかをザックリと判別することが可能なんですね。
通常のテレビはステレオ(2.0ch)
一般的にテレビの本体にくっついているスピーカーというのは「2.0ch」です。
「2.0ch」というのはいわゆるステレオで、CDやレコードというのは基本的に2chで記録されています(左右のスピーカーでそれぞれ違った音を出していますよね)。
そのためCDやレコードは再生も2chで十分なわけです。
また一般的にテレビ放送はステレオ放送のため、テレビのオーディオはステレオであることがほとんどです。
ちなみにモノラルは1chのことですね。
「2.1ch」はステレオ+重低音
(▲筆者作成)
2.1chはステレオ(2.0ch)の音声にさらに重低音(0.1ch)を加えた再生方法になります。
普通のステレオよりも重低音に厚みが生まれるためかなり迫力のある音響が実現できます。
正直言って、この2.1chのオーディオ環境を構築するだけでも相当映画を見るという体験の質が向上します。
重低音はそれほど重要なんです。特に映画鑑賞では。
簡易的にホームシアターを導入したいのであれば、2.1chのオーディオはお手軽で種類も豊富です。
(吹き出し)
2.1ch=ステレオ+重低音
簡易的にホームシアターを導入したい人にオススメ
「3.1ch」になると人間の声がより明瞭に
(▲筆者作成)
3.1chは2.1chの左右のスピーカーの間にもう一つスピーカーが加わります。
このスピーカーは主に「人間の声」を再生させる役目を担っています。
これによって映画であればセリフが、音楽であればヴォーカルが、より明瞭に聞こえるようになります。
音響の迫力は残しつつ、人の声が粒立って鮮明に聞こえるわけですね。
DVDの再生で絶大な効果を発揮する「5.1ch」
お次は「5.1ch」について。
(▲筆者作成)
これは前方左右の3本のスピーカーに加えてなんと後方にも左右2本のスピーカーを設置するものです。
合計5本のスピーカーがユーザーを取り囲むように配置され、それぞれが映像の動きに合った音を出力するため映画館のような立体音響を実現してくれます。
この5.1chはDVDが主流になったことで注目されるようになりました。
DVDの登場で音声データの5.1chでの収録が可能となり、数多くの映画が5.1chで収録されるようになったんです。
DVDで視聴することの多いホームシアターでは5.1chのスピーカーは理想的な設備と言っていいと思います。
仮想的に5.1chなどを実現する「バーチャルサラウンド」
(▲筆者作成)
最近はバーチャルサラウンドというシステムも活用されることが増えてきています。
これは耳の錯覚を利用して、前方のスピーカーのみであるにも関わらず疑似的に5.1chやそれ以上のサウンドを実現する方法です。
なぜそんなことができるのかを詳しく解説しだすとかなり長くなってしまうのですが、ざっくりと説明します。
まず人間は左右の耳で聞こえる音の時間差によって音が発生している場所の距離を把握しています。
この性質を利用して、左右の耳に時間差で音を聞かせることで立体感のある音を演出することが可能なのです。
バーチャルサラウンドはこの性質を利用して、あたかもリアルサラウンドかのような立体感のある音を演出するわけです。
中には家の壁を利用して音を反射させることで仮想的に5.1ch以上のサウンドを実現しているものもあります。
バーチャルサラウンドは比較的安価に、また簡易的に、質の高い音響を実現できるため最近は徐々に人気が高まっています。
ただし視聴者が部屋の真ん中にいないと適切な音響を実現できないなどの弱点もあるので、自分の利用シーンをしっかりイメージして選ぶことが重要です。
チャンネル数は見た目でわからない
チャンネル数は要は音を出力するスピーカーの数なのですが、最近のモデルは意外と見た目からはチャンネル数が分からないこともしょっちゅうです。
それはいわゆる「バータイプ」のスピーカーが出てきているからなんですね。
最近のスピーカーの流行りというのはテレビ画面の手前に置ける薄いバー状のものなんです。(画像参照)
これには一見スピーカーが内蔵されていると分からないようなところにスピーカーが内蔵されており、同じような見た目でも2.0chだったり2.1chだったりと色々な種類が混ざっています。
2種類のホームシアタースピーカーシステム
そんなホームシアタースピーカーですが、音を出力するためのシステムを大きく分けると2種類のシステムがあります。
1つは「AVアンプ+スピーカーシステム」で構成される本格派のシステム。
もう1つはアンプとスピーカーシステムが一体になった初心者にも易しい「パッケージシステム」。
「AVアンプ+スピーカーシステム」
このシステムは簡単に言うとアンプ(音の設定を行う機械)とスピーカー(実際に音を出す機械)をそれぞれ自分で組み合わせるもので、かなり”本格派のシステム”と言えます。
アンプとスピーカーをそれぞれ自分で選び、さらに音の設定も自分で行うことになるため、正直ある程度の知識が必要となってきます。
もちろん複雑な分、自分が理想とする音を追求することができ、拡張性も高いという利点があります。
初心者が手を出すにはちょっとハードルが高いものになってきますね。
「パッケージシステム」
一方でアンプとスピーカーが一体型となっている「パッケージシステム」と呼ばれるホームシアタースピーカーも販売されています。
このシステムは設定や設置が非常に簡単に設計されているために初心者でも簡単にクオリティの高いスピーカーシステムを実現できます。
テレビ本体となんとケーブル一本の接続だけですぐに使えるようになっており、配線が苦手、機械が得意でないという人でもストレスなく使えるんですね。
もちろん本格的な機能の拡張を行ったり自分で音質を細かく調整することは難しいですが、簡単な設定でかなりのクオリティの音響を楽しむことができ、初心者には十分すぎるレベルです。
初めてホームシアタースピーカーを導入する場合や音響システムにそれほど慣れていない場合は「パッケージシステム」のホームシアタースピーカーを選ぶことをオススメします。
ホームシアタースピーカーの特徴・選び方の整理
ここまでの内容をおさらいがてらホームシアターにおすすめのスピーカーの特徴と選び方をまとめておきましょう。
1.重低音が充実している=サブウーファー付きを選ぼう
映画において迫力は映像の迫力もさることながら、「重低音の迫力」というのも重要なファクターのひとつです。
この重低音を出力する上で重要なのが「サブウーファー」と呼ばれる重低音専用のスピーカーです。
したがってホームシアターという用途を考えれば基本的にはサブウーファー付きのスピーカーを選ぶべきでしょう。
サブウーファー付きのホームシアタースピーカーには「2.1ch」「5.1ch」などのようにチャンネル数に小数点以下の「0.1」がついています。
これらを選ぶと映画の音響を最大限に生かせるスピーカーシステムを実現できます。
2.設定が易しいパッケージシステムを選ぼう
基本的には設定や設置が容易な「パッケージシステム」のホームシアタースピーカーを選ぶことをオススメします。
その理由としては
- 初めて使うホームシアタースピーカーであればパッケージシステムで十分音響を楽しめる
- 本格的なスピーカーシステムを構築するにはある程度のスピーカーの知識が必要である
- 配線などが単純化できるので既存の空間に美しく収納しやすい
といった理由が挙げられます。
3.とにかく手軽に導入するなら2.1ch・3.1ch
手軽にホームシアターを自宅に再現したいという場合であれば2.1chもしくは3.1chの音響設備が良いでしょう。
これらであればスピーカーの設置位置は部屋の前方だけで済みますし、設置や設定もかなり簡単に行えます。
とにかくテレビのスピーカーよりもいい音で映画を見たい!という場合にはオススメです。
4.ハイレベルな音質を求めるなら5.1ch
映画館のような前後や上下に立体感のある音響を実現したい場合には5.1chの音響設備を導入することをおすすめします。
5.1chまでくるとかなり本格的な音を楽しむことができ、映画の魅力を余すところなく発揮してくれるでしょう。
実はさらに上の7.1chやそれ以上の音響設備も実現可能なのですが、よほどこれらの設備に詳しいとか相当のこだわりがない限り、初めて自宅にホームシアタースピーカーを導入するのであれば5.1chで十分だと思います。
もしも使っていてそれ以上にグレードアップしたいと思ったらその時に拡張すれば良いと思いますね。
5.手軽さと音質、どちらもある程度ほしいならバーチャルサラウンド
バーチャルサラウンドは5.1chのリアルサラウンド(実際にスピーカーを設置して実現する5.1chの音響)と比べるとやはり立体感や音の広がりで劣る部分も出てきます。
しかし圧倒的に手軽に映画館に近いレベルの音響を実現できるため、手軽にハイレベルの音響を手に入れたい場合には相当有用です。
チャンネル数別に見るホームシアタースピーカーおすすめ9選
それではいよいよおすすめのホームシアタースピーカーをご紹介していきます。
今回は「2.1ch」「3.1ch」「5.1ch」「バーチャルサラウンド」それぞれについて見ていきましょう。
ホームシアターで音質にこだわり始めれば正直それはもう様々な専門的な方法があるのですが、今回は複雑な設定なしに単純にスピーカーを設置するだけで実現できる簡単で効果が大きい機器を選定しています。
2.1ch
パナソニック 2.1ch シアターバーSC-HTB175-K
ONKYO シネマパッケージ 2.1ch BASE-V60(B)
JBL CINEMA SB450 2.1chホームシアターシステム
3.1ch
パナソニック 3.1ch シアターバーSC-HTB690-K
Pioneer 3.1ch サウンドバーシステム Bluetooth対応 HTP-SB560
5.1ch
Pioneer 5.1ch サラウンドシステム HTP-S767
ソニー HT-RT5
バーチャルサラウンド
ヤマハ YAS-107 DTS Virtual:X
パイオニア HTP-CS1 コンパクトフロントスピーカーシステム
補足:映画をお得にたくさん見るには
- 映画好きだけど毎回のDVDレンタル料金が馬鹿にならない…
- いちいち借りに行くのが大変だしめんどくさい…
- 田舎だからレンタルショップがない・遠い…
これ全部私のことなんですが、映画が好きだからこそどうすればより手軽にお得に映画を見ることができるのか色々試してきました。
その結果たどり着いたのはやっぱりオンラインで見るのが最強だということ。
特に月額料金で見放題のサービスは素晴らしい。
個人的には何かを買うときもAmazonを使うことが多いので特典の多いAmazonプライムに登録しています。
30日くらい無料トライアルとかできるので試してみて違うと思ったら辞めればいいんじゃないかと思います。
あとはHulu とかもかなり充実のラインナップなのでいいですね。
結構新しい作品もバンバンあがってくるし名作と言われるものも豊富です。
こちらも2週間の無料体験ができるっぽいです。
まとめ
ホームシアターといえばかつては高価すぎて手が出せないというイメージがありましたが、最近は技術開発も進み安価に高品質なものが提供されています。
そしてそれらが売れるほど需要も高まってきているのでしょう。
その背景にはやはりオンラインでの月額見放題サービスなどがあるのでは?と個人的には感じています。
レンタルしにわざわざ出かけなくとも映画館にわざわざ出かけなくとも、自宅で見たいときに見たい映画を見れる。
そういう技術が普及したことで「家で質の高い映像体験をしたい」という人が増えたのではないでしょうか。
ぜひ納得のホームシアタースピーカーを手に入れて、映画ライフを充実したものにしてください。