北海道の札幌に2年間住んでいた関西出身の私ですが、北海道って方言らしい方言が少なく、話し言葉はほぼほぼ標準語です。
関西弁に比べたら特徴的な語尾もないし、北海道民に方言を聞いても「方言かあ…あんまりないよ笑」みたいな反応しか返ってきません。
しかしだからこそ自然な話の中で出て来る方言がとても際立ってしまい、逆に印象に残る気がします。
よくよく注意していると実はいろんな方言があるんですよね。
「なまら」とか「わや」あたりは有名ですよね。
しかし、そんないくつかの北海道の方言の中でも聞いたときの衝撃レベルで言えば群を抜いていると感じる方言があります。
それは「ブス色」という言葉です。
ブス色の意味
なんとなく何らかの「色」を指すことはおわかりかと思いますが、一体どのような色なのでしょうか。
Weblioの『北海道方言辞書』によると、
ぶすいろ△【附子色・付子色】[名] 打撲などにより皮下に内出血したときに見られる青い痣あざの色。濃い青紫色。
を指すのだといいます。
(引用元:ぶすいろとは - 北海道方言 Weblio辞書)
つまり、
打撲時などの青あざの色
のことをブス色というのですね。
実際の使用例
実際私が生まれも育ちも北海道の人からはじめて聞いたときのブス色の使い方はこんな感じでした。

文脈でなんとなく意味がわかりますが初めて聞いたときは「ブス色!?なにそのパワーワード!」って思わずツッコミました笑。
ブス色の語源
さて、このブス色という言葉、果たしてどんな由来からこの言葉が生まれたのでしょうか。
正直、「ブス」というのはいわゆる不細工という意味合いのブスなのかと最初は思いました。
しかしちゃんと調べてみると、そのブスではないことがはっきりわかります。
この場合の「ブス」は漢字で書くと「附子」。
これは花の名称を指しており、より一般的な名称で言うと「トリカブト」にあたります。
トリカブトの花の色が濃い青紫色であることから青あざの色のことを「ブス色」と呼ぶようになったようです。
附子の花
実際に附子の花=トリカブトの花を見てみましょう。
こちらがトリカブトの花です。
確かに濃い青紫色ですね。青あざの内出血の色味に似ていると言われれば、確かにそんな色です。
こう見ると、青あざの色としては予想以上になかなか完成度の高い例えですよね笑。
(ちなみにトリカブトは有毒植物のひとつです。)
まとめ
何も知らない状態で聞くとギョッとするようなインパクトのある言葉「ブス色」ですが、由来から考えていくとそこには納得の理由がありました。
しかし、なかなか面白い言葉なので北海道出身の友人がいる人や北海道に訪れる機会がある人はぜひ本当に使うのか聞いてみてはいかがでしょう。
実際に「ブス色」という言葉を使っているシーンに出会えたらなんかうれしいですね。笑
また北海道の方はこれって方言だったのか!と驚くかもしれませんが、他府県では聞きなれない人がほとんどのはずなのでご注意を!