ふとしたきっかけで「ぼくのりりっくのぼうよみ」というアーティストを知った。
すごく話題になってた(なっている)らしいのだが、
恥ずかしながら知ったのはつい昨日のことで。
ぼくのりりっくのぼうよみ - 「Newspeak」ミュージックビデオ
なんというか、おれは非常に「色っぽさ」を感じた。
高校生だなんて、ほんとに信じられない。
そんな中でかちかちとネットサーフィンしていると、インタビュー記事を見つけた。
これがすごく面白かった。
変幻自在に言葉を操る、ぼくのりりっくのぼうよみという名の17歳
http://www.cinra.net/interview/201512-bokunolyricnobouyomi
面白かったポイントが二つある。
①音楽を始めたきっかけ
―そもそもインターネットで曲を発表するようになってからどれくらい経ちますか?
ぼくりり:もう3、4年になります。ニコニコ動画の「ニコラップ」でVACONという人を見つけ、Twitterを通じて仲良くなり、一緒にやってみないかと誘われたことがきっかけとなりました。
―オーディション『閃光ライオット』で2014年のファイナリストに選ばれたのが、注目を集めるきっかけのひとつになりましたよね。なぜ応募してみようと思われたのですか?
ぼくりり:いや、応募したのではなく、ある日突然ソニーミュージックの方からメールが来たんです。「こんにちは、あなたの歌をネットで聴きました。スタジオに来てください」と。「ん? ヤバいのか、この人?」と疑いながら歌いに出かけました(笑)。その1か月後くらいに、「閃光ライオットに応募しておいたから。今度、2次審査があるから来てください」と、そんな感じで、トントン拍子でファイナルまで勝ち残ったんです。
―モデルやアイドルが「お姉ちゃんが勝手に応募しちゃったんですよー」って弁解しているような感じですね。それって、本当に目指している方からすると、反感を買うパターンです(笑)。
ぼくりり:そうなんです。でも本当に、積極的に何かをやっていたということでもないので……。
「なんとしてもミュージシャンになる!」
「ミュージシャンになるためならどんな苦労も厭わない!」
だから必死こいて下積みをしてバイトも掛け持ちして…
的な、ビッグになるには苦しみを乗り越えて這い上がってこい!
というような図式はもう必ずしも成り立たないのだと思う。
苦労したかどうかとか努力したかどうかとかは関係なくて。
ネットの繋がりがキャリアを越えてくるのかもしれない。
②作詞について
ぼくりり:(略)例えば、何か事象があって、それに対して自分が「ヤバい」と思ったことを歌詞にするときは、事象自体を歌詞にしているんです。僕がどう思ったかではなくて、そのこと自体を膨らませて書く。だから、完成した後に解放感があるとすれば「この理不尽な事象をうまく表現できた!」です。今回の歌詞で言えば“CITI”なんかはそうやってできました。ネトウヨの人って、やたらめったら怒ってるじゃないですか。そういう人に対して、というわけではなく、そういう人の曲を書いています。
歌はミュージシャンが何かを主張するための方法であり、
主張するために歌という表現があるのだと思っていた。
でも「表現することそのもの」が目的になる。
表現すること、表現できたということ
それらが自体が喜びであり目的で
「主張したい」よりも「表現したい」という流れになってくるのかもしれない。
食べ物も、快適な生活も、娯楽でさえも、
安価に気軽に手に入る中で、
SNSとかでいろんな人の主張が見えすぎて
主張の飽和状態にうんざりし始めていて、
だからこそ、事象そのものを余計な主張なく表現しきることで
世界がクリアになるのかもしれない。
主張がある音楽・感情を前面に押し出した音楽ではなく
ただ表現しきるという音楽。
そんなことを考えたりした。