何が何でも解決したいほどの何かなんてない。
その事実に軽く絶望する。
どうしてもどうにかしたいことなんてない。
自分が甘々すぎて、ふわふわと生きすぎていて、気分が悪くなる。
甘いショートケーキを食べて胃もたれしたみたいな気持ちの悪さ。
なんとなくで生きれることに絶望する。
こんなにも何もないのに生きていることにがっくりくる。
死にたいわけじゃない。
日々楽しい。
でもなんだか弛緩しきった空気がそこにはあって、それが大嫌いだ。
冬の朝の空気が好きだ。
ぴんと張り詰めてて、濁りのない空気が冷たくて。
肺の中の生暖かい空気が入れ替わっていくあの感じ。
肌がぴりりと締め付けられるあの感じ。
周囲の空気と自分がくっきりと分かれていく、輪郭がはっきりしていくようなあの感じ。
己の生身を意識せざるを得ない、あの感じ。
要は、自分を持て余している気がする。
浪費している感じがする。
自分という存在を垂れ流しているような感覚を覚える。
自分を発揮する場さえあれば、なんてずっと思ってる。
でもどう生かしていいのかなんてわからない。
どこへ行っても、何をしても、なんだか違う気がしてしまう。
自分がぼんやりと滲んでしまうような、そんな感じがする。
周囲の生温い空気に溶け込んで、輪郭がぼやけていく。
それがちょっと気持ちよくて、その気持ちよさが少しおそろしい。
何か文字を並べているとき、そのときだけは少しマシだ。
生身を感じられる。
血が吹き出るような文が好きだ。
でも吹き出た血に浸かってしまえば、生温い血液に窒息してしまいそう。
もう自分をぼやけさせる空気の中にいたくない。
溶け込んでいくのは楽だけど、溶け込んだらきっと叫び声すら忘れてしまう。
溶け込むまでそこにいるのか?
それでほんとにいいんだろうか。