「あなたが今まさにこの瞬間から、自分の仕事は自分でつくらなければならないのだとしたら、果たしてあなたには何ができますか?」
例えばそんな問いが目の前に提示されたら、なんと答えるだろうか。
私にとって2017年はそんな問いが常に頭の中をぐるぐると回り続けた一年間だった。
大好きだった人と離れ離れになるリスクを冒してでも得ようとした経歴をダメにした。
時間もお金も周囲の人の評価も犠牲にして手にした東京での仕事さえもダメにしてしまった。
2017年はそんなふうにして始まった。
色んなものをダメにしてでも「自分には何ができるのか?」の答えが欲しかった。
自分のものなのかなんなのかよくわからないふわふわした”学歴”だとか”肩書”だとかではない、手ごたえのある「何か」を見つめたかった。
それがガキっぽい、青クサい、あまっちょろい考え方だとしても、そういうものを見つめたかった。
色んな経緯があって、4月から地域おこし協力隊という仕事に就いた。
地域おこし協力隊というものになったのは、ここなら自分には何ができるのかが少しは見えるのかもしれないと思ったからだ。
この仕事は自分で何かを始めなければ永遠に何も始まらない。
仕事としてやらなければならないことは当然ある程度はあるが、主軸となってくる活動に関しては自分から動かないと誰も何もしてくれない。
仕事は自分でつくるものなのだ。
そんな環境に置かれて初めて「自分は自分ができることを何も知らない」と心の底から悟った。
さあ!あなたの活動をしてくださいね!という状況に直面してやっと己の提供できるものがさっぱり思い浮かばないことに気づかされた。
世間の人々が、社会が、求めていることが何なのか、よくわかっていなかったし
自分が社会に提供できるものが何なのか、よくわかっていなかった。
その二つが重なり合うビジョンが見えなかった。
それでも何か社会に価値を提供できる人間になろうともがいていた。
社団法人で事務局スタッフとして事業運営を経験したり、クラウドソーシングのライティングの仕事を受けまくったり、迷いながらもがいてみた。
怖いけど仕事を断ってみたり生意気な行動もたくさんしてみた。
2017年も終わりに近づき始めたころ、腑に落ちる言葉に出会った。
株式会社クラシコムの代表青木さんとgreenz.jpプロデューサーの小野さんの対談の中で出てきた青木さんの発言。
青木さんが言うには、「うまくやったから、うまくいく」のではなく「うまくいったから、うまくやれる」のだ。
つまり成功と努力に相関関係はない、彼はそういう考え方なのだという。
努力したかどうかは別に本質的ではなくって、自分がうまくやれる場所にいち早く気付いてフォーカスすること。
巨大なマーケットという敵を前にした状態で、そう選択肢は多くない。
そんな言葉を見て、ああそうだ、と思った。
いかに自分がうまくやれる場所にポジションをとるかなんだ。
そんな場所に少しでも早く気付くために僕はもがいてきたんだ。
これまで取ろうとしていたポジションでは戦えないと思ったから、行動してきたんだ、と。
自分が上手くやれる場所、という視点を意識するようになって、自分のとるべき行動が良く見えるような感覚が生まれた。
誰かに評価されそうな道というよりも、自分が得意なのはこっちだな、と冷静に判断できるような気がしている。
2017年はもがき続けて最後の最後に何かひとつモヤモヤを突破したような気がしている。
来たる2018年。
見据えた道を淡々と歩んでいきたいと思う。
そんな感じ!