のさかんぱにー!

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大好きな「音楽」と「自然」をキャリアにする!

なれなかった自分の先で、おれは飄々と生きる

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いつからだろうか。


その活躍に心躍らせた主人公たちのような


底なしの明るさにも、


溢れんばかりのガッツにも、


思わず目を惹く派手さにも、


この手は届かないんだと思い知った。


剥き出しの闘志も


触れれば切れるような鋭い知性も


鮮やかな身のこなしも


屈強さも忍耐強さも


あまりに遠い世界なんだと突きつけられた。




それはひどく寂しいことだった。


自分と彼らは違うのだと悟ることはヒーローごっこの最中にチャイムが鳴るような、そんな寂しさにも似ていて。


ひとつずつ知るたびに


少しずつ息が詰まった。




自分はなんなのだろう、とよく考える。


自分の輪郭はひどくぼんやりとしていて


景色のなかに埋もれていくようで


それが怖いような安心なような


掴めない感覚に苛立ちもする。




ふと、かつての恋人に言われた言葉を思い出した。


あなたは飄々としているんだね。


そんなところがいいと思うよ。と。


彼女が発した、飄々、という言葉を


おれはひどく気に入り、


飄々と生きよう、思った。


褒められたから嬉しかった、ただそれだけのことかもしれない。


単純なものだ。




言葉が輪郭を創るのだと思う。


強く生きるには軟弱すぎる


明るく生きるには複雑すぎる


派手に生きるには単調すぎる


そんなぼんやりした自分が世界に溶け出してしまいそうな時


言葉が景色とおれとを分けてくれた。




なれなかった自分の先で


おれは飄々と生きていこうと思う。


柳のようにしなれども折れず


からりと越えていける、


そんな自分を信じてみようと思う。