のさかんぱにー!

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大好きな「音楽」と「自然」をキャリアにする!

就活と病気の話

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17卒として就活を5ヶ月強ほどやったおれの経験を書こうと思う。


たぶん多くの人はしないだろう経験の話。


病気と就活の話。




おれは心臓病だ。


生まれた時から心臓病を持っている。


心室中隔欠損症という病気で生まれつき左右の心室を隔てる壁に穴が空いている(欠損がある)病気だ。


Wikipediaの画像がわかりやすい。


https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%e5%bf%83%e5%ae%a4%e4%b8%ad%e9%9a%94%e6%ac%a0%e6%90%8d


1000人に3人程度はこの病気を持って生まれてくるというから意外と患者は多いことが分かる。


(ただ成長過程で塞がることもあるらしく、成人の患者となるともう少し減るのだろうが。)


この病気の症状は人によって程度に差があり、日常生活に全く支障のない人も多い。


おれの症状は幸いにして軽度のもので、本当に普通の人と変わりなく生きてこれた。


体育もマラソン以外は参加できたし、部活も運動部に中学高校6年間所属していた。かなりガッツリ活動していた。


食事も運動も部活もバイトも、ほとんど制限なく生きてきた。


だからおれと今まで関わってきた人の多くは、おれが心臓病だなんて思ってもないはずだ。


あまりにも普通に生きてるので当の本人ですら己が心臓病だということを忘れそうになるほどだったりする笑




そんなわけで人生で心臓病を持っていることで不利益を被ったこともなく、


この程度の病気ならハンデにならないんだな、と気楽に生きてきた。




そうして迎えた就活。


なかなか苦戦する中でもいい感触の企業が幾つかあった。


その中の一つにとある中堅の商社があった。


扱う商品も専門を活かせそうだし、会社の理念も共感できたし、成長性もあるし、なにより商社にちょっと憧れた。


とんとん拍子で最終面接まで決まり、最終の社長面接も生い立ちが似てることもあって盛り上がって、


人事の方からは面接後、明日か明後日には結果をお知らせします、と連絡が入った。




しかし次にきた連絡は結果についてではなく、病気が就業に問題ないことを証明する書類を出してください、という内容のものだった。


最終面接時に提出を求められ出した健康診断書を見ての連絡だった。


指定の病院が地元のかかりつけ医ではないためかなり大変だったが、可能な限り急いで準備し、3日後には書類を提出した。


この頃は、まあそりゃ普通心臓病なんて知らないだろうし、証明して欲しいよな、なんて気楽に考えていた。


提出後、企業からは数日以内には連絡すると言われたが、数日を過ぎても連絡は来ず、


こちらから何度も連絡をとってやっと、結局提出から二週間ほど経って、今回はご縁がなかったとの連絡をもらった。




企業からは不採用の理由を明確に示してもらうことは出来なかったためここからは完全におれの主観だが、


やはり病気が明るみに出てから明らかに企業側の態度が変わったように感じた。


こんなに変わるのかと思うほど、連絡が来るのが遅くなったし、電話ではなくメール主体の連絡になった。


自分の心臓病が社会の競争においてはこんなにネガティヴ要素になるのかと身を持って知り、


衝撃を受けた。


社員として最終的に採るか採らないかの線引き要素になり得るほどには


影響してしまうものなのか、と。


病気がなければ採用されていたかは分からないが、少なくとも悪影響はあったように思う。




日常生活・就業に全く問題ないと証明されていても、心臓病というイメージで採用に悪影響がありうること


多くの人は心臓病について知らなさすぎること、それゆえ過剰に反応しがちだということ


その根底にはドラマとか映画の影響で心臓病が悲劇的に描かれ過ぎていたりするのではないかということ


いろんなことを思う。




おれ自身特に他の心臓病について詳しい訳ではないが、


少なくとも心室中隔欠損症については本当に普通の暮らしを送れる程度の人も多い。


実際おれは本当に普通だし、心臓病のない人と体力だって変わらない。


ご存知の方も多いだろうが、スキーモーグル上村愛子選手だってこの心室中隔欠損症だ。


つまり程度次第でアスリートにだってなれる。


だけど多くの人にとっては「心臓病」という言葉の響きに意味があって


それだけで、過剰反応するに十分な要素になる。




結局おれはその後無事他の企業に内定を頂くことができ、就活を終えた。


実際心臓病かどうかなんて気にしない企業もたくさんある。


それも事実だ。


そもそもほんとは健康診断の結果を採用基準にしてはいけないらしいし。


それが良いか悪いかは置いておいて。


業務内容によってもどこを大事にするべきかは違うだろうという事情も分かるしね。




ま、とにかく、おれは就活を通じて、


おれにとってはあまりに当たり前すぎた「心臓病にだって程度があってべつにどうってことない人もそこら中にいるんだよ」という事実が


多くの人にとっては当たり前じゃないのかもしれないという発見になった。


何かしら病気を持っている人は


それが自分にとっては当たり前に付き合っているものかもしれないけど


社会からは一般的にどう見られるもので、どう説明すべきものなのかを


認識しておくことは大事なのだろうと思った。


そんなかんじ。